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【Hulu】『ウォーキング・デッド』レビュー

公開日: : 最終更新日:2019/11/05 Hulu海外ドラマ

【Hulu】『ウォーキング・デッド』レビュー

ウォーキング・デッド10はHuluで放送が開始されています。
詳しくは【Huluでウォーキング・デッド10を視聴】シーズン10はいつから見られる?で書かれています。

また、Huluの海外ドラマはこちらをご覧ください。

あなたはこの世界の残酷さに耐えられるか

『ウォーキング・デッド』(THE WAKING DEAD)の感想です。ウォーキングデッドは2010年から放送されているアメリカのテレビドラマです。ジャンルはゾンビ、パニック、サバイバル、と言えますが、ただのゾンビものではありません。”ウォーカー”と呼ばれる、ゾンビによる世界の終末を迎えた後の世界を下敷きに、思惑・思想・愛・復讐なんでもありの人間ドラマと、かなりグロテスクなシーン満載の人間VSウォーカー、人間VS人間の戦いが描かれます。

この物語のポイントは、よくあるゾンビVS人類という構造ではないということです。シーズン1では、保安官である主人公のリックが犯人に撃たれ重体になるところから始まります。そしてリックが目を覚ますと、世界は終わっていました。何も知らないリックが踏み出すのは、すでに世界が”ウォーカー”によって支配されてしまった後の世界です。リックを主人公に、個人に焦点が当てられます。主人公たちは小さなグループをつくり、安寧の地を求めて旅をします。テーマは個人がどう生き延びるかであり、そこで各々の人間性や、倫理、道徳、社会とは何かが問われます。

見どころは、全編を通して緊張感が漂うリアルな世界観です。設定としては、一般的なゾンビ観そのままです。噛まれれば感染し、ウォーカーを殺すには、脳を破壊するしかありません。さらには、かまれていなくとも脳が無事なまま死ぬと、ウォーカーになります。いわゆるエンターテインメント的なゾンビものの派手さはあまり目立ちませんが、無駄な脚色を徹底的にそぎ落としたまさに「生きるか死ぬか」の世界がそこにあります。屈強な男が銃を持っているとふつう安心するものですが、ウォーキングデッドにおいては安心などありません。実際に視聴したらわかると思いますが、銃よりナイフの方が安心します。(なぜなら、銃は手軽に殺せるが、一発目の銃声でより多くのウォーカーを引き寄せることになるからです。)そのあたりの描写は全く容赦がなく、冷酷で、残酷です。ですがその分必死に生き延びようとする彼らの姿に心を打たれます。

私の大好きなグレン

現在シーズン10まで放送されていますが、全編を通して私の好きなキャラクターは作中の主要人物のなかでは唯一のアジア人である、グレンです。厳密に言えば、グレン”でした”。俳優は韓国出身のスティーブ・ユァンです。彼はべつにイケメンでもないし童貞”でした”し、特別強いわけではありませんが、芯の強さと、愛嬌があります。ウォーキングデッドのファンのなかでも、彼の事を好きだというファンは多いでしょう。先にも述べたように、彼らが生きることになった世界は残酷で冷酷な世界です。生きるか死ぬかのみが彼らの問題であって、それ以外のものはほとんど価値がありません。かつて保安官であった主人公のリックでさえ、自分や仲間を守るためなら人を殺すのを厭わず、シーズンを重ねるにつれて冷酷になっていきます。私がグレンを好きなのは、そんななかで彼だけが善意を失わず、愛に生きているように思えたからです。

ミショーンも欠かせない存在

もうひとり好きなキャラクターを挙げます。ミショーンと言う名の黒人女性です。彼女の武器は銃でもナイフでもなく、日本刀です。シーズン2のラストで急にサムライが出て来るもんだから少し笑ってしまいました。ですが実際は何一つ笑えません。彼女の特徴は、その戦闘力の高さと精神の高潔さです。たぶん、登場人物たちに、武器を一つだけ持たせてウォーカーの群れの中に投げ込んだら、彼女が一番強いんじゃないかと思います。彼女が見事な刀さばきと冷静な判断で的確にウォーカーを無力化していくさまは、かなり爽快です。

この作品は観る人を選びます。良い作品なのですが、重なる死と争いのなかで、彼らに救いはないのか、と、だんだん観るのが辛くなってきます。しかしそれがカタルシスでもあり、面白さでもあります。この作品が世界中で愛される所以でしょう。実は私は、今ウォーキングデッドを観ていません。というより、観る事ができません。2010年の公開以来、シーズンごとにショックを受けてぐったりしながら、次のシーズンを待っていました。それぐらいにクオリティが高く、重厚な作品です。観るのにエネルギーを使います。そんな私が、なぜ新シーズンを観るのをためらっているかと言うと、それはある事件によってです。

一言で言うと、「推しが死んだから」です。思い入れのあるお気に入りの人物を”推し”と言いますが、わたしにとってのそれはグレンでした。号泣しましたし、あんな死に方はないよと思いました。この作品は、登場人物の誰がいつどこで死んでしまうかわかりません。いくら思い入れがあろうと、魅力的な人物だろうと、簡単に死にます。あるいは”簡単には”死なない人もいます。(でも結局死にます。)

面白さは保証します。

魅力的な登場人物が多いゆえに、推しが死んでしまうリスクがかなり高いこの作品ですが、間違いなく面白いのは保証できます。ゾンビものが好きだけどありきたりな作品では刺激が足りない人や、極限下のおける個人や人間社会の在り方が描かれる作品に興味がある人におすすめです。たくさんのシーズンが出ていますので、あせらずまずはためしにシーズン1を観てほしいです。数エピソード観終わったころには、ファンになっているはずです。

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